ブルーベルのフラット・マンドリンである。

 見ての通り、ギブソンのFタイプのコピーである。

 「ザ・バンド」のレヴォン・ヘルムが弾くマンドリンにあこがれていたし、

 10数年前に初めてビデオで見たデビッド・グリスマンのFタイプにも気をひかれた。

 いつか手に入れようと思っていたのだが、Fタイプは80万円以上した。

 さすがブランド好きの俺もビビッタ。

 ミュージシャンが楽器を手に入れる時のこころえ。

 この楽器を使い、仕事をして、元を取れるかどうか。

 そう言うもんだぜ。オレタチャー、コレクターじゃネェーんだ。

 しかし、生涯サイドギタリストの俺にとってマンドリンはつらい。

 この楽器は、バイオリンと同じチューニングだし、元々、リード楽器らしいのだ。

 ギターみたいにコードブックもろくにないし、弦のテンションも強いので、フル・コードを押さえるのもつらいし、

 ネックも細いので、左手の指先の立てかたも違い、弦が爪に刺さってくるんだ。

 その後、ギターを弾くと指が痛いのなんのって。一時はアキラメようと思ったくらいだ。

 「冬の夜の深さについて」で使用。

 ブルーベルは、松本にある富士弦楽器の物だ。

 最近は、クラフトマンが才をとってしまい、今はあまり作られていないらしい。

 ブルーグラスの大物、ビル・モンロー氏が使って有名らしい。

 しかし、このギブソンから受けついだ、ボディー・シェイプは美しい。

 シリアルは、モデルF−10・92305である。

 ブリッジには、マンドリン用のピエゾのピック・アップを付けた。できるだけ音は大きくと言う訳だ。